和歌山医大での内視鏡下涙管チューブ挿入術の手術成績の檢討

摘要

和歌山医大で開始第1症例から約2年の内視鏡下涙管チューブ挿入術全症例について検討を行つた。対象と方法：当院で施行した57例68側について検討した。全症例を1名の術者が執刀した。結果：全症例でのチューブ挿入完了率は79.4%であった。涙小管閉塞症例の完了率は0%,涙点閉鎖では50.0%であった。背景因子との関係では，抗癌剤内服既往は50.0%,外傷後長期経過は0%，性涙囊炎後で75.0%であった。結論：涙小管閉塞，外傷後長期経過，急性涙囊炎後で自壊創ありを内視鏡下涙管チューブ挿入術で治療困難と考えた。これらの因子がない場合，初心者では開始半年後以降は92.5%で挿入完了が可能であった。