晩発性滅過胞漏出に対する羊膜を用いた滅過胞再建術

摘要

難治性の晩発性房水漏出を繰リ返した漉過胞を,羊膜を使って修復した. 77歳女性と60歳男性の各1眼で,緑内障に対してマイトマイシンC併用線維柱帯切除術が行われた.血割こ乏しい壁の薄い漉過胞が形成され,房水漏出を繰リ返し,濃過胞炎があった.保存的療法や演過胞内への自家血注入でも房水漏出が消失しなかった.両症例とも,当初の手術から17か用後に羊膜片を潰過胸部に縫着した. 1例では羊膜の上皮を上ほかの1例では下にした.術後,両症例とも漉過胞が形成され房水漏出はなく,眼圧も良好に維持された.羊膜を用いる濃通水疱修復術は,房水漏出を止めるとともに漉過胞維持の効果がある.