大動脈縮窄症術後乳び胸にoctreotide acetateが著効した1例

摘要

乳び胸は，胸腔内に乳びが貯留した状態と定義 される.乳びはトリグリセリド，脂肪酸，蛋白を多く含み1日に2-3l産生され，脂質を多く含 む食事を摂取した際には1日5lに達するとされ る.乳び胸の原因としては手術，外傷による胸管 の損傷，胸腔内腫瘍，胸管?鎖骨下静脈の閉塞， 先天性奇形があげられる.術後乳び胸の合併率は 0.5-2%と報告されている.症状は多呼吸ゃチ ァノーゼなどの呼吸障害，脱水，低栄養である. 治療はドレナージ，低脂肪?高蛋白?高カロリー 食，中心静脈栄養，octreotide acetate投与などの保存的治療がある.