気管支カルチノィドに対する 肺切除を伴わない左主気管支管状切除

摘要

気管支力ルチノイドは，同じく低悪性度肺腫瘍に分類される腺様囊胞癌や粘表皮癌を併せても全 原発性肺悪性腫瘍手術例の1%以下と非常にまれな疾患であり,以前はbronchial adenomaと 称されていたものである.組織学的に定型的な組 織像の多寡により定型と非定型に分けられるが， 中枢気管支からポリ一プ状に発生することが多い ため低悪性度であることも考慮して気管支形成に より可及的に呼吸機能を温存する術式が選択され る場合がある.今回われわれは左主気管支原発の 定型カルチノイド例に対し，肺実質切除を伴わな い気管支形成術を施行したので報告する.