Svensson法による大動脈基部置換術の64列MDCTを用いた遠隔期評価

摘要

大動脈基部置換術において，冠状動脈再建法は手術成績に大きく影響する.1968年に報告されたBentall原法4)は冠状動脈吻合部に仮性動脈瘤を生じやすいとされ，冠状動脈再建に工夫を加えたCabrol法5), Piehler法6), Carrel patch法7) などが報告されてきた.しかしながら，これらの変法においても術中出血や冠状動脈再建部の屈曲，遠隔期の吻合部仮性瘤形成や間置グラフトの狭窄·閉塞などさまざまな問題がある.