Sjogren症候群と特発性血小板減少性紫斑病の長期経過観察中に発症した胸腺粘膜関連リンパ組織型節外性濾胞辺縁帯（MALT)リンパ腫の1例

摘要

粘膜関連リンパ紙織型節外性濾胞辺縁帯(mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma ：MALT)リンパ腫は小リンノな求からな るリンパ腫で，先行する自己免疫疾患との合併が 多くみられる比較的まれな腫瘍である.今回，Sjogren症候群と特生血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura ：ITP)の長期経過観察中の患者に発症した胸腺 MALTリンパ腫に対して手術を行った症例を経 験したので，文献的考察を加えて報告する.35歳時に口渴?羞明?眼乾燥などの症状を自覚し，Sjogren症候群と診断されたが， 人工涙液や人工唾液にて症状が改善していた. 37歳時には下肢の点状出血がみられ，ITPの診 断でステロイド治療が行われ，症状は緩解した. 以後，近医で経過観察中であつたが，50歳時に 全身検索の目的で撮影された胸部CTにおいて前 縦隔腫瘍を認めたため，手術目的で当院へ紹介された.