先天性圣骨欠損症に用いた2関節3軸性創外固定器の考案

摘要

先天性圣骨欠損症は圣骨が完全欠損する疾患で膝関節，足関節，さらに手足の奇形を高頻度に合併する，きわめてまれで治療に難渋する疾患である．当院では右下肢の先天性圣骨完全欠損症，左下肢の圣骨部分欠損症に加え，両手，両足奇形さらに両側副耳，聴覚障害，知力障害などを合併した症例を治療中である．右下肢に対してOrthofix社（ベローナ）のunilateral system創外固定器であるPemig Modelを改良して2関節3軸性の創外固定器を考案し（図1），膝関節屈曲拘縮の矯正，腓骨中心化手術，圣骨延長術さらには足関節内反尖足変形の矯正を同時に施行した．現在術後3年を経過するが右膝関節装具のため跛行はあるものの，驚くほど早く走れるようになっており，Ⅹ線所見でも中心化した腓骨の順調な発達が続いているので報告する．