多発性骨髄腫に合併した両側手根管症候群の1例

摘要

多発性骨髄腫を伴うアミロイドーシスによって生ずる手根管症候群は比較的まれである.今回われわれは本症を1例経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.76歳,女.両手指のしびれ,手指の屈曲時痛.1995年3月ごろより,両手のしびれを自覚した1996年4月2日に他医を受診し,両側手根管症候群と診断されたが,術前検査で原因不明の貧血を認めたため,同年5月2日,精査目的で当院内科に入院となった.入院後,両手の疼痛としびれ感が増強してきたため,当料へ紹介受診となった.