中学生の喫煙行動とその規定要因 家庭背景，健康行動，ニコチン依存

摘要

中学生の喫煙行動とその規定要因を明らかにするため，A市の市立中学校3校の第 2学年(1校）および第3学年(2校）の生徒を対象に喫煙行動，喫煙認知，健康行動に関する 無記名自記式の質問紙調査を実施した。今回の解析項目すべてに回答があった650名を対 象とした。構造回帰モデルで解析すると，.親の喫煙が生徒の不良な健康行動，歪んだニコ チン認知スタイルに影響し，これが中学生の喫煙行動を決定していた。このことから，親 の喫煙が中学生の喫煙に与える影響には，不良な健康行動と歪んだニコチン認知が介在し ていると考えられた。喫煙防止教育や普及啓発には生徒の認知に働きかけることが有効で あろう。また両親の禁煙，健康な食生活の指導が欠かせない。