病棟における精神科看護師の役割と課題

摘要

現在の精神科看華は，精神保健看護学としての広範囲な分野として自殺対策などの 狭義の精神医学分野にとどまらず，災害看護や犯罪被害者と加害者をも含む人々へのケア など実に広い範囲が対象領域となっている。本稿では，精神疾患とその看護をより深く理解するために精神障害者へのケァの起点となる「診療の補助」と「療養上の世話」の2つの領 域を基にして「病棟における精神科看護師の役割と課題」を検討した。①精神疾患を抱えた としても安心して療養し，その人らしい生活を営めるような回復が得られるために，1対 1を基盤とした「看護師との関係性をふまえたアセスメント」が重視される。②「治療環境 としての看護師」として，患者の言動やチーム医療での対人関係上のズレ，違い，摩擦に「耐 える力」をつけることも医療者の成長にとつて重要である。