新型ィンフルェンザAの感染を契機に呼吸器疾患を合併し入院となつた成人例6例の臨床的検討と季節性ィンフルェンザとの比較

摘要

2009年春に発生した新型ィンフルェンザAは全世界に広がり5月には日本で最初の症例が報告された. これまでに小児を中心に重症化した症例が報告されている力、成人でのまとまった報告は少ない.今回我々は新型ィンフルェンザA感染を契機に呼吸器合併症を生じ入院となった成人6症例に関して検討を行い，過去のシーズンと比較した.入院となった6症例のうち4症例で喘息発作を生じ，うち2例ではウィルス性肺炎様の病像を呈した.その他の2例は細菌性肺炎を合併した.成人においては過去のシーズンと比較して入院率は高くなかったが， ゥィルス性肺炎様の症例は他のシーズンでは認められなかつた.