小児頭部外傷の画像診断（小児虐待を含む)

摘要

わが国における9歳以下の死亡原因の第1位はここ数年，不慮の事故である（平成18年度厚生労働省人口動態統計より）。小児頭部外傷の多くは軽症例であるが，10?：15%に重症例が存在し，その多くが小児虐待であるといわれる。防ぎ得た外傷死の発生要因の2/3は，医療機関の初期診療にあるとされ，正確な診断と治療を行うにあたり，画像診断検査が寄与するところは大きい。小児は，年齢によって受傷機転が異なることゃ受傷機転は同じでも，その反応は成人とは異なり小児特有の所見を呈する。本文では，小児の身体的特徴ゃ受傷機転をふまえて，分娩時外傷，小児に特徴的な頭蓋骨骨折，小児虐待における頭蓋内病変の画像所見について解説する。