LEDパイロットランプを通じたサイドチャネル攻撃における高速光検出器の効果

摘要

暗号ハードウェアから，その本来の出力信号ではない消費電力や漏洩電磁波などの物理量を測定し，その値を処理してハードウェア内部の秘密情報の推定を試みる攻撃を，サイドチャネル攻撃という．我々は，パイロットランプが搭載された暗号ハードウェアにおいては，パイロットランプの輝度情報の微細な変化を測定することで，暗号ハードウェアの処理データのハミング重みが漏洩していること，共通鍵暗号AESの鍵推定が可能であることの二点を既に指摘している．本報告では，より高速な受光素子を用いた実験を行うことで，これらの解析に必要な波形数が減少したことを報告する．これにより，パイロットランプからのサイドチャネル攻撃がより実際の脅威として考慮すべき事案であることを報告する．