LTE-Advanced上りリンクにおけるサウンディング参照信号のオーバーヘッドに対するスループット特性の評価

摘要

LTE-Advancedの上りリンクでは，コードブックベースのプレコーディングを適用した最大4レイヤの空間多重をサポ一卜する閉ループSU-MIMO（Single User Multiple Input Multiple Output）の採用が検討されている．一方，LTE-Advancedでは周波数スケジューリング，MCS（Modulation and Coding Scheme）の決定，及びプレコーダ選択などを目的としてサウンディング参照信号（SRS: Sounding Reference Signal）が移動局端末（UE: User Equipment）から基地局（eNB: Enhanced Node B）に送信される．UEの送信アンテナ毎に分離したチャネルを取得するために，eNBは時間もしくは符号で直交した系列をそれぞれの送信アンテナに割り当てるが，送信アンテナ数の増加により，SRSのリソースが不足する可能性がある．この場合，時間領域もしくは周波数領域における送信範囲を最適な値から減じて各送信アンテナにリソースを割り当てる必要があるが，劣化を最小にするSRSリソースの割り当ては検討されていない．本稿では，上記におけるスループットを定量的に評価するとともに，劣化を最小とする最小となるSRSリソースのスケジューリング方法について検討する．そして，SRSの送信周期を長く設定してSRSリソースを各送信アンテナに割り当てることが適切であることを示す．