LTE/LTE-Advancedへテロジニアスネットワークにおける小セル基地局展開時のハンドオーバ性能評価

摘要

3GPP LTE（3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution）およびLTE-Advancedにおいて，急増するモバイルトラヒックを収容する手段として，多数のスモールセル基地局を高密度に展開するヘテロジニアスネットワーク（Heterogeneous Networks：HetNet）の検討が進められている［1］．ただし，基地局数の増加は，ハンドオーバ（Handover：HO）回数の増加によるコアネットワークへの制御信号量の増大やHO失敗の増加によるユーザ品質の低下を引き起こす可能性がある［2］．そこで本検討では，スモールセル基地局展開時のHO性能について，計算機シミュレーションによる定量評価を実施した．まず，HO回数については，1マクロセルあたり20スモールセルを配置した場合でも，スモールセルを配置しない場合の約3.3倍であり，それほど大きくならないことが分かった．一方，HO失敗率は約10倍近くに増加するため，スモールセルを多数配置する場合には，HO失敗を増加させないための対策が必要となる．