エスパアンテナを用いたIEEE802.15.4秘密鍵共有方式～キャリア周波数切換による生成鍵の特性評価実験

摘要

無線通信の盗聴対策として，民生品向け可変指向性アンテナであるエスパ(ESPAR: Electronically Steerable Parasitic Array Radiator)アンテナと電波伝搬の相反性の原理を利用した秘密鍵共有システムを開発している．無線PAN (Personal Area Network)規格IEEE802.15.4/ZigBeeに準拠したシステムを試作し，実証実験を行ったので本稿にて報告する．実験の結果，複数のキャリア周波数切換による鍵生成手法の有効性を確認し，128ビットの秘密鍵を3秒周期で変更するシステムの場合の鍵生成成功確率が99.998％以上となること，及び盗聴局との相関特性から，盗聴局が秘密鍵の解読に要する時間が1.15×10{sup}6年以上かかる見積となることを確認した．