LTE-Advanced下りリンク4-by-2 MU-MIMOにおけるユーザ間角度差を考慮したスループット特性の屋外実験評価

摘要

本稿では，LTE（Long Term Evolution）-Advanced下りリンクにおいて，移動局（MS：Mobile Station）当たり最大2ストリーム送信を行う2MSを用いる4-by-2 MU（Multi-User）-MIMO（Multiple-Input Multiple-Output）に対して，MS間の角度差がスループットに与える影響を屋外実験により明らかにする．実験装置では，サブバンド単位での固有値分解に基づくチャネル状態情報フィードバ、ツクを用いてMMSE（Minimum Mean Square Error）規範のプリコーディングによるビーム形成を行い，基地局アンテナは直交偏波アンテナアレー構成を用いる．実験結果より，Rank-4 MU-MIMOを適用した場合，見通し内および見通し外が支配的な環境では，2MS合計で1Gbps程度のスループットを実現するためには，それぞれ約400および500以上のMS間角度差が必要であることを示す．また，両環境において，Rank-2 MU-MIMOはMS間角度差に対してロバストであり，伝搬チャネル状態に応じてRank数を適応制御することで，SU（Single User）-MIMOに比較して高い周波数利用効率を実現できることを明らかにする．