燃料電池／蓄電池ハイブリッド電源システムの構築に向けたニッケル水素蓄電池の特性評価

摘要

我々は、燃料電池に蓄電池を組み合わせ、急激な負荷変動を蓄電池の充放電により吸収させるハイブリッド電源システムの構築を検討している。これまで、実際の負荷パターンから小容量のNi-MH蓄電池について、充放電開始容量となるベースライン容量と、ベースライン容量からの最大容量変動幅をパラメータとした充放電パターンを作成し、実際の蓄電池の充放電挙動との比較を行った。その結果、蓄電池の充放電開始容量と充放電電力に対応した、蓄電池の電圧－容量特性を予め測定により求めておき、この特性を蓄電池の容量算出のために用いることで、蓄電池の充放電パターンに対応した実際の蓄電池の容量変化を、精度良く求められることを明らかにした。更に、この小容量の蓄電池で得られた結果から、実際の負荷パターンの規模で必要となる、蓄電池および燃料電池の容量を求めた。今回は、これまで検討の環境温度25℃での特性から幅を広げ、0℃、50℃の特性も検討した。また、蓄電池の充放電パターンを、これまでの1分毎の電力変化から1分未満の電力変化に短縮した場合について、蓄電池の容量変化を実験により観測し、推定挙動との比較を行ったので報告する。