池袋地域冷暖房施設のリコンストラクション計画における電気設備

摘要

池袋地域冷暖房施設は，東京都心の東池袋地区に位置し，1978年に冷水と蒸気による熱供給を開始した。しかし，操業開始から20年が経過したころ，熱需要変化と機器の性能劣化が重なり熱製造効率の低下が顕著となり，故障等のリスクも高まり始めていた。そのほかにも省エネや環境負荷低減等の課題も叫ばれ始めていた。これらを検討した結果，この解決には受変電配電システムから熱源機器をも含め，プラント全体を熱需要変化に低環境負荷で対応可能な，運用性の高い最適システムへ再構築する必要があるとの結論に達した。この実現に当たっては，計画·設計·施工·運用にわたり，環境への影響を最小限に抑えるべく配慮し，安定性と運用性，総合効率の向上を目指した。そして電気設備においては，以下を主眼点として取り組んだ。①信頼性向上に資する；②環境負荷低減に寄与する取組を行う；③管理，メンテナンス性向上につながる施設とする；④安全性を向上させる。特に特高変圧器更新においては，既存施設での更新であるため，建物付帯施設の解体やテナント立退きなどが不要な，駐車場経由での分割搬入·現地組立て工法による三相分離型特高変圧器を採用した。その結果，建物美観の悪化や工事騒音を出さずに建物内外ともに通常営業のまま工事を完了することができた。