超高層対応型太陽光採光システムT-Soleil 100の開発

摘要

超高層建築の吹抜空間は，トップライト部分に採光可能な開口があり，上層階には自然光が入るものの，低層階に十分に届かないケースが多い。こうした空間に太陽光を照射するためには，太陽追尾式の採光装置が適している。しかしながら，精度よく遠方を照射するには機械やミラーの精度上難しい点も多く，また，採光装置のみでは，空間全体に良好な光環境を作ることが難しいなどの課題があった。今回開発したT-Soleil 100（以降，本システム）は精度よく遠方まで太陽光を照射することを目的に新たに開発した太陽追尾式の採光装置と，この光を放送する多段ミラーの構成，採光した光を良好に拡散するための放光ミラーの組合せで構成されている。本開発では，装置開発とともに的確な計画を行うための計画·検討ツール開発を同時に実施した。また，開発段階での詳細検討，効果の検証のために太陽光を使った大規模な模型実験を実施し，技術を実施適用可能なものとした。