大形ガスインジェクション機関－拡散燃焼方式を採用した高効率·高出力率ガス燃料機関

摘要

CO{sub}2による地球温暖化やSO{sub}x，NO{sub}xなどの環境問題が顕在化し環境負荷低減のための技術開発が求められている。 このような状況の中で，天然ガス燃料機関は，石油系液体燃料を使用する機関に比べて熱効率が同じであればCO{sub}2の排出量が本質的に少なく，また燃料自体がクリーンであることからSO{sub}xや煤塵などの環境規制にも適合させやすいなど，今後のエネルギーシステムとして大きく期待されている。 しかし，さらにCO{sub}2を削減するためには，動力への変換効率，すなわち機関の熱効率向上が必要不可欠である。そこで本報では，現在，出力範囲が同程度の熱機関の中では最も熱効率が高い油焚きディーゼル機関と同等の熱効率と出力率（＝平均有効圧×ピストン平均速度）を実現できる天然ガス焚き「大形ガスインジェクション機関」の特徴や構造，性能について解説する。 また，この技術を応用した，VOC（揮発性有機化合物）燃料機関（液化ガス燃料噴射機関）についても紹介する。