CSD係数FIRフィルタ設計における分枝限定法のGPUを用いた高速化に関する一検討

摘要

本稿では，Canonic Signed-Digit（CSD）係数FIRフィルタをGraphics Processing Unit（GPU）を用いて高速に設計する手法を検討する．CSD係数FIRフィルタの設計問題は，混合整数計画問題として定式化でき分枝限定法を用いて最適解が得られる．しかし，限定操作において下界値を線形計画法で求めるため，最適解探索にかかる時間が膨大となる．そこで，本稿では線形計画法の行列計算部分をGraphics Processing Unit（GPU）により並列演算させることで演算時間の短縮を図る．さらに，分枝限定法は初期の暫定値によって探索範囲が決定されるので，探索範囲縮小のため単純打ち切りで得られた係数の最下位ビットの最適化を行い暫定値を決定する．いくつかのシミュレーションにより，提案法の有効性を示す．