カスタムプロセッサの実験的評価環境

摘要

プロセッサの性能とコストのトレードオフを最適化するために構成要素を目的に応じて変更するカスタムプロセッサが多様な用途で使われている。 一方、プロセッサ設計において、命令レベルシミュレータの動作とFPGAやLSIで設計した実際のプロセッサの動作を合致しない場合がある。そこで、我々の研究グループでは、プロセッサのハードウエアをFPGAに実装し、PCI経由で接続したPCでFPGA上のプロセッサの制御や内部状態の表示などを行う手法を提案し、シミュレータの使い勝手とプロセッサの動作の高精度化の両方を実現している。 今回、プロセッサのカスタム化による性能評価を行うためのFPGAを利用したプロセッサ評価環境を構築した。 この評価環境では、FPGA上にコアプロセッサと、そのカスタム化のための部品がFPGAに実装されており、PCからの制御によりカスタムプロセッサの構成を決定することができる。 本システムでは1クロックごとに、内部レジスタやメモリの状態表示を行いながら100KHz程度の周波数で動作するため、実際のアプリケーションレベルのプログラム実行によって、プロセッサのカスタム化による性能評価を容易に行うことが可能となった。