超音波アレイ探触子を用いた全波形サンプリング方式によるS-SAFTの精度向上について

摘要

超音波アレイ探傷装置を用いた欠陥画像化手法の一つにSectorial SAFT（S-SAFT）がある．S-SAFTは，励起するアレイ素子群をずらしながらセクタスキャンを実行し，欠陥像を合成する手法である．本研究では，全素子の送受信パターンをPCのメモリにストアしておき，PC上で遅延時間を設定することによって波形計測後でも超音波の焦点距離を任意に設定できる全波形サンプリング（FSAT）方式をS-SAFTに組み合わせることで，新しいS-SAFTによる欠陥画像化を試みた．この方式では，画像化する画素毎にビームを絞ることができ，かつ画素の大きさも自由に選択できるため，任意の解像度で精度の良い欠陥像を出力することができる．