森永乳業神戸工場における自然エネルギーの活用

摘要

森永乳業㈱の神戸工場は西日本地区の基幹生産拠点として、2006年5月から稼働を開始した最新鋭の工場である。表1に工場概要を、また写真1に風力発電が設置されている工場正面の写真を、写真2に生産されているアロエヨーグルトとカフェラッテを示す。 工場の建設、製造にあたっては次のコンセプトを掲げて取り組んだ。 ①画期的な最新の技術と設備を導入し、高付加価値·高品質な商品群を生産する。 ②トレーサビリティーへの取り組み、ゾーニング管理の徹底など高品質·安全性を追及する。 ③自社設計のスタジオーネ制御システムの活用などにより、高い生産性を実現する。 ④西日本の基幹工場であると同時に物流拠点として、原料調達から商品受注·得意先配送まで一翼したSCMの構築を進める。 ⑤公害防止はもとより、自然冷媒を利用した冷凍システムの導入や自然エネルギーの活用など、省エネルギー、地球温暖化防止、省資源、ゼロエミッションなど地球環境に配慮する。 ⑥工場緑化の推進、工場見学の受け入れなどを通して、地域·社会に開かれた工場とする。本稿は、国内初めて風力発電と水力発電の両方を設置した神戸工場における自然エネルギーの活用を中心に、森永乳業の関連実績を紹介する。