機関の起振力と防振について

摘要

かつての大形船は蒸気タービンが主機であったため、航海中は波による揺れとプロペラによる船体振動が主要源であったと思われます。その後、燃料消費率の良いディーゼル機関の信頼性が向上し、広く使われるようになり、主機関が新たな振動源となってきたようです。最近ではより高性能な船とするため、主機関の小形·高出力化が計られ、船体も軽量化の傾向で振動·騒音は大きくなる傾向と言えます。 本稿では4サイクルディーゼル機関はどのような起振力を持っているか、またこの起振力の船体への伝播を防止する防振装置はどのようなものかについて述べ、読者皆様に振動·防振に関する興味を抱いていただければ幸いです。