渦電流分布の可視化と非破壊検査への応用

摘要

渦電流を用いた非破壊検査は電力，航空機等多くの工業分野で広く用いられている。この検査方法は，高周波磁場を測定試料に照射して，発生した渦電流によってさらに生じた磁場をサーチコイルによって捉えるもので，高いS/Nを得るためには動作周波数を高くする必要がある。しかし，高い周波数では表皮深さが短いため，表層の欠陥しか検出されなかった。近年，より深部の欠陥を検査できるように，低周波で検知可能なSQUIDやMRセンサを使った方法が開発されてきている。 しかし，これらはいままで磁場印加と検出部分が限局している方法であった。本研究では広い領域に渦電流を誘導させ，しかも渦電流分布を直接画像化する装置を開発し，渦電流分布の変化から，深部の欠陥が検知できるかを評価した。