北海道ほたて桁引き漁船の省エネ取り組み

摘要

平成19年の夏、北海道紋別漁業協同組合で、ほたて桁引き船を新造する計画があるとの情報が、弊社の北海道営業部に入った。早速、営業活動を始めたが、新造船導入にあたり、少なくとも現行使用している船より10％以上の省エネ効果が見込めることが条件であった。しかも初期の計画では、エンジンは現行の船と同じであったため、エンジンでの省エネ効果は見込めず、船体部分のみで達成する必要があった。当社が過去に同地区へ販売した現行モデル（呼称71尺、全長22.17m）と比べ、結果的に全長で2m以上長く（呼称77尺、全長24.25m）、ホタテも約5トン多く積載可能な、クラス最大の船となった。以下、本船に織り込んだ省エネ技術と、特に船体の軽量化のために実施した「編物強化材を使用したFRP真空成形法」について紹介する。