新建材開発につながる試験コンサルティングの必要性

摘要

日本がバブル経済に浮き足立ち，鉄筋コンクリート造建築物の超高層化を目指した国家的な総合プロジェクト「NewRC」が実施されていた頃，私は建材試験センター·中央試験所に足繁く通い，万能試験機を拝借して高強度コンクリートの圧縮試験を行わせていただいたことを記憶している。その際，中央試験所内をご案内いただき，設置されている数多くの各種設備機器の説明をしていただいたが，当時は建築材料研究に対する視野も狭く，それらを一堂に所有していることの重要性を認識することができなかった。あれから四半世紀が経ち，建材試験センターの主催であったり，建材試験センターが事務局を務めたりするさまざまな委員会や，日本建築学会·日本コンクリート工学会·日本建築センターなどに組織された委員会において，建材試験センターの所有する各種設備機器を用いて得られたデータを拝見しているが，その度に，それらがいかに信頼の置けるデータであり，貴重なものであるかを実感している。