耐火炉（水平炉·柱炉）の性能を測るラウンドロビン試験報告

摘要

平成12年の建築基準法改正以降，性能評価業務における耐火構造部材に対する耐火性能試験（以下，「耐火試験」という。）では，荷重支持部材に長期許容応力度に相当する荷重を加えながら加熱を行なう試験方法が取り入れられた。以後，おおむね10年が経過し，各指定性能評価機関における耐火試験の実績も数多く蓄積されてきている。しかしながら，この耐火試験方法は，加熱終了後も荷重支持能力が失われないことを確認する必要があり，「余力」を残した状態で試験を終えて「合格」の判定になる。このため，試験実績は多いものの荷重支持部材が支持能力を失う終局時の条件（判定が不合格になる条件）について再現性の確認や各試験機関のバラツキの比較検証はあまり行なわれていなかった。