マグネシウム合金とアルミニウム合金の接着強さに及ぼす化成処理の影響

摘要

①供試材AZ31B材，A2000系材を接着し，プルオフ試験を行った結果，化成皮膜の違いによる接着強さについて以下のことが明らかになった。 1）エポキシ樹脂系接着剤を用い，AZ31B材とA2000系材を接着した時，Mg(OH)_2皮膜を施したAZ31B材はタロメート皮膜を施したAZ31B材と比較して，接着強さが高い徳を示じた。2）エポキシ樹脂系接着剤を用い，AZ31B材とA2000系材を接着した時，ペーマイト皮膜を施したA2000系材はリン酸クロメート皮膜を施したA2000系材と比較して，接着強さが高い値を示した。 ②供試材AZ31B材，A6000系材を接着し，引張せん断試験を行った結果，化成皮膜の違いによる引張せん断接着強さについて以下のことが明らかになった。 1）エポキシ樹脂系接着剤を用い，AZ31B材とA6061材を接着した時，Mg(OH)_2皮膜を施したAZ31B材はクロメート皮膜を施したAZ31B材と比較して，同程度の引張せん断接着強さが得られた。 2）エポキシ樹脂系接着剤を用い，AZ31B材とA6061材を接着した時，ベーマイト皮膜を施したA6061材はリン酸クロメート皮膜を施したA6061材と比較して，引張せん断接着強さが高い値を示した。 以上より，接着強さはマグネシウム合金の六価クロム化成処理の代替処理としてMg(OH)_2皮膜とアルミニウム合金のべーマイト皮膜が有効である知見が得られた。