乾性沈着研究の歴史

摘要

酸性雨は大気中の硫酸エアロゾルや硝酸ガスが地表に沈着して地表に酸性物質が負荷することであり，エアロゾルやガスが降水に溶解し水溶液として地表に沈着する湿性沈着と気流に乗って沈着する乾性沈着とがある．湿性沈着は19世紀からの長期観測の歴史があるが乾性沈着の観測は湿性沈着のようには進んでいない．その主要な理由は，乾性沈着が湿性沈着と比べ，（1）目に見えないのでその存在の認識が簡単ではないこと，（2）理論的·実験的にも複雑であり研究·開発に投入する研究資源が大きいこと，（3）現象そのものの時間的·空間的な一様性が低いことであろう．