ラヴワジェ夫人研究の変遷に見る　ジェンダー問題

摘要

マリー·アンヌ·ピエレット·ポールズ＝ラヴワジェ（Marie－Anne－Pierrette Paulze-Lavoisier，1758-1836）は不思議な人物だ．この女性は，ラヴワジェ（Antoine -PLaurent Lavoisier，1743-1794）や化学革命に興味を抱く者なら誰にでも，その存在と姿とを知られている．これにはもちろんダヴイドによる見事な肖像画の威力が無視できない（図1）．この傑作は，ラヴワジェだけでなくその妻の知性あふれる堂々たる美しさを永遠に画像に留めた．