女川層タイトオイル開発に向けたフラクチャー型珪質頁岩油層への酸処理試験

摘要

秋田県南部に位置する鮎川油ガス田の女川層貯留層は，平均層厚は約500m，珪質岩を主体とし，大局的にオパールCT／石英の続成境界面をトップシールとして，上位から，珪質岩／凝灰岩互層からなるガス層，ドレライトからなる油層および水屑からなっている (Tsuji et al., 2011）。女川層にはこれらの主要油ガス層以外においても，珪質岩あるいは珪質岩／凝灰岩互層の多くの区間で油ガス徴が頻繁かつ顕著に認められ，特に通称On－4層を中心に低生産性ながら油の産出がある。これらの低生産性層からの油は，地化学的検討から，ドレライトなどの主力油層の油と比較して低熟成起源で現地性の要素がかなり強く，キッチンエリアも含めたcontinuous accumulationとしてのタイトオイルシステムの一部として解釈できる（横井ほか，2013）。