中性子水分計による耐火物の水分測定

摘要

中性子水分計による水分測定手法には、以下の長所と短所がある。 長所の①金属製の容器、配管内の測定対象物を非破壊で測定できる。 ②ある測定範囲において、測定対象物内部の平均水分が測定できる。 ③低水分から高水分まで幅広く測定出来る。 ④出力値（カウント値）が測定対象物の温度、色に左右されない。 短所①水分値を測定するには、予め乾燥法で求めた水分値と中性子水分計の出力値（カウント値）を元に、検量線を作成する必要がある（他方式の水分計も同様）。 ②出力値（カウント値）は、対象物の水分ばかりでなく、体積、密度、距離にも影響する（水分を精度良く測定するには、測定対象物の体積、密度、距離を一定に保てば良い）。 ③測定対象物内部の水分分布は測定できない。 上記、中性子水分計の特性（長所と短所）と、今回の2つの実験結果から、測定方法を工夫することにより、中性子水分計が不定形耐火物の水分測定に充分活用できることが明らかになった。