再生可能エネルギーの全量買収制度に関する電力システムの課題と対応

摘要

全量買取制度は，初期費補助やRPS（Renewables Portfolio Standard，再生可能エネルギーポートフォリオ基準）に代わり，2010年代の再生可能エネルギー電源の加速的普及を実現する役割を負う．政府は，中長期的に，再生可能エネルギー電源を基幹エネルギーの一つとして位置付けることを新しいエネルギー戦略の柱としている．問題はいかに社会的費用を減らして，電力品質の高い電力を安定的に供給できるかである．本稿では，全量買取制度にサポートされる再生可能エネルギー電源の大量連系に関する電力システム側の課題と対応をできる限り，包括的に論じる·