大学·地域密着型インキュベーター

摘要

世界最初のインキュベーター(IB)は，米ニューヨーク州のバタビア·インダストリー·センターといわれる。 当初家主は建物全体を1社で借りて欲しかったが，借り手が見っからないため，地元中小企業や失業状態から自営を目指す人たちに分割賃貸したのが始まりである。 借り手の大半は事業経験がなかったため，家主は資本の調達，事業ノウハウの伝授など，特段対価を受け取らずに，ありとあらゆる支援を行った。以来40数年を経た今日，IBにはさまざまな形態が生まれている（表）。 英国型IBは，多くが大学と地域の連携により学内などで設立·運営される点で，表の②と③の複合タイプである。 英国型IBはサイエンスパーク(SP)と呼ばれる。 SPは，ベンチャーなど小区画テナントが雑居する集合棟のみからなる小規模なものから，周囲に大企業の専用棟が群居する大規模なものまでさまざまである。 以下，英国のSPの現状と特徴につき見てみる。