ハンドヘルド赤外分光器による潤滑油劣化診断

摘要

潤滑油は多くの装置によって分析され、機械装置の保全に貢献してきた。しかしながら、分析結果を得るには多くの時間を必要とし、採油してからのタイムラグが問題とされてきた。そこで、現場で簡単でありながら高精度で分析できる装置の開発が進められてきた。本稿ではハンドヘルド赤外分光器を紹介し、予知保全プログラムに必要とされる使用油の物理特性を分析する。潤滑油劣化の診断手法としてのハンドヘルド赤外分光器による有効性を明らかにするために、いくつかのテストを行った。湿式化学分析装置、またはラボ用のフーリエ変換赤外分光装置（以下FT-IRと称す）による潤滑油の劣化診断と比較し、ハンドヘルド赤外分光器が使用中の潤滑油の劣化に対し高水準の分析結果を提供する能力があることが分かった。