有限要素法による電磁誘導現象解析－電気機器の自動設計および現象把握への取り組みについて

摘要

本報告では，電磁誘導現象を利用した代表的な機器であるIH調理器の問題点を解決する，あるいは把握するための取り組みを紹介した．まずはIH調理器の不均等加熱を解決するコイル配置の自動最適設計手法の提案を行い，加熱の均等化を図れる上に実際に製作することが容易なコイル配置を自動的に求め得ることを示した．次に，アルミニウムのような非磁性体金属鍋に働く浮力を抑えるために使用される浮力低減部材の浮力低減効果および加熱への影響を調べ，浮力低減部材の有無や形状の差異が，浮力や鍋表面温度に与える影響の定量的評価を行ったり，電磁界分布から現象の定性的考察ができることを示した．