平賀源内の時代のエレキテル

摘要

本稿ではまず，これら2台のエレキテルを比較し構造の違いを明らかにする．また，それらが平賀家伝とされてきたものの，何らかの形でそれらが平賀源内作であると示唆するものはないかということを考察する．このために，当時の文献に現れたエレキテルとの比較を行い，その機構の改良の度合いから最も初期に作られた種類に属することを示す．さらに，ほぼ同時代のエレキテルの例として，ロシアのエレキテル，特に19世紀初め，ロシア全権大使レザーノフー行により幕府への献上物として長崎にもたらされた1台のエレキテルの紹介を行う．