乗員体格検知システム評価シミュレーション技術の開発

摘要

近年，各国の安全法規制の強化やエアバッグ，ABSに代表される衝突安全技術，予防安全技術の拡充により自動車の安全性能は向上し，自動車事政による乗員の死傷者数は減少してきている。 そして，更なる安全性能の向上のためエアバッグ展開時に乗員がエアバッグにより被害を受ける展開傷害が着目されている。米国においてはエアバッグ展開による受傷危険性の低減を狙いとして乗員衝突保護に関する法規FMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standard)No.208が改訂され，特に先進的エアバッグ技術を含めた方法により，小柄な女性や幼児がエアバッグ展開に起因する重傷を負う危険性を低減することが求められている。 これに伴いマツダでは，エアバッグが乗員に危害を加えると考えられる状況をセンサを用いて自動検出し，エアバッグ展開の自動制御を行うシステムを開発したが，センサ開発においては様々な姿勢や走行条件での評価が必要となっている。本報告では，センサ開発において短期間で効率的な開発，検証を行うことが可能なシミュレーション技術について述べる。