Virtual Testingの紹介

摘要

マツダでは，お客様の価値観の多様化と地球環境や安全に代表される社会的要請に対応し，柔軟で小回りが利き，小口ツトでも利益のでる企業構造を構築することを狙いとして，1996年よりMDI(Mazda Digital Innovation) による全社括動を推進してきた。 お客様の価値観や社会的要請の変化へ俊敏に対応するためには，三次元設計に代表されるデジタルエンジニアリングを基盤として，試作車の存在しない商品開発の早い段階で，性能や信頼性を中心とした開発要素の良否を検証し，開発目標を着実かつ迅速に造り込む技術を確立することが必要不可欠である。 マツダではMDIにおける実験領域の革新活動の一環として，Virtual Testing（以下，VT）という概念を導入し，事前検証技術の開拓へ取り組んできた。 本稿では，MDIの理念を踏襲し，商品開発プロセスの革新を目指す取り観みであるVTの概要を紹介する。