高速鉄道のレール締結装置：スペインにおける事例調査

摘要

鉄道インフラストラクチャーの発展は，高速鉄道が遵守すべき機械的抵抗性と安全性に関する厳しい要件を達成することを目指している。この観点から，線路に使用される締結装置は信頼性の更なる高度化すなわち腐食に対する高い耐久性および物理的強度，安全性を損ねないことが重要な課題となる。本稿ではスペインの高速鉄道で使用されている種々のタイプの非めっき終結部品について調査した結果を報告する。また，同じ部品に溶融亜鉛めっきを施したものについて材料の破壊挙動と特性を比較したところ，非めっき締結部品と物理的性質は変わらず，耐食性と耐久性が増して，メンテナンス·コストがゼロになることが判明した。この調査では破断の調査や顕微鏡による破面観察および塩水噴霧試験による耐食性の比較を行っている。調査結果からは材料の表層あるいは内部における延性の変化や水素による影響は見られなかった。すなわち，試験体に金属学的な損傷は認められなかった。これらの結果から判断した結論として，我々が承認し，標準化され，認定されたこれら高耐食性の製品を使用することを推奨する。