「地質学1，2，3」

摘要

本シリーズは2001年の第1巻刊行から6年余の時間をかけて2007年末に完結した平朝彦氏による地質学のテキストである。全3巻の序として著者は「急激に発展する地球科学の中で記載された広範囲の内容を1人で執筆するのは，ほとんど暴挙といってよいが，敢えてこれを行ったのは，1人の著者が自らの理解の範囲で体系化をした方が，読者にとっては一種の追体験ができるために読みやすいのではないかと思った」と書いているが，まさに氏の幅広い知識と思考の流れが感じられる教科書である。評者は物理探査技術者であるが，そのキャリアの初期に氏による地質学の集中講義を受けて，地質学への興味を動機づけられた。それから20年以上たった今，3巻の教科書を読ませていただき，改めて今までの知識の整理と新たな知識への扉を開いていただいた。