<層状コバルト酸化物>東工大など、層状コバル酸化物の高イオン伝導度の原因を解明、燃料電池などの性能向上へ威力

摘要

東京工業大学と英国の研究グループは、層状コバルト酸化物の「プラセオジム·バリウム·コバルト酸化物」（PrBaCo2O5）が高い酸化物イオン伝導度を持つ仕組みを解明した。従来、陽イオンが不規則に配列した方が酸化物イオン伝導度は高いとされているにもかかわらず、規則配列している「PrBaCo2O5」が高イオン伝導度を示していた謎を、結晶構造（原子配列）と核密度の空間分布を中性子回折などで詳細に解析して解き明かした。この成果は酸化物イオン伝導度が高いイオン伝導体の設計に新しいコンセプトを示すもので、新しいイオン伝導体の開発につながる。高いイオン伝導度を示すイオン伝導体は、空気中から酸素を効率良く取り込めるため、固体酸化物形燃料電池などの性能向上と研究開発の加速が期待される。