ヘスペレチンは成人ヒト表皮メラノサイトのメラニン産生を誘導する

摘要

「緒言·目的」本論文は，ヘスペリジンのアグリ コンであるヘスペレチン（HSP）のマウスメラノーマ細 胞およびヒト正常メラノサイトのメラニン産生に及ぼす 影響について研究を行っている。ヒトの主要なフラボノ イドの供給源として柑橘類があり，ヘスペリジンはその 主要なフラボノイドである。HSPは抗酸化，抗炎症， そして抗腫瘍形成作用といった健康への寄与が報告され ている。しかし，HSPの皮膚色素沈着への効果は明ら かになっていない。これまでにHSPがマウスB16－F10メラノーマ細胞のメラニン産生を促進し，in vivo条件で は光障害から皮膚を保護するかもしれないという報告が なされている。しかし，HSPの正常メラノサイトに対 する効果は，メラノーマ細胞で観察された効果と異なる かもしれないため，HSPのマウスメラノーマ細胞に対 する効果とヒト正常メラノサイトに対する効果を比較し た。