「微粉焼結発泡電極によるハイブリッド車用高出力ニッケル水素電池の開発」

摘要

近年，地球規模で環境問題·資源枯渇問題が社会的に大きな問題となっており，1997年地球温暖化防止京都会議（COP3）では温室ガス（CO_2など6種類）排出を削減することが義務付けられるなど，地球規模での環境·資源保護の機運が高まっている。 また，世界的にも米国カリフォルニア州で「カリフォルニア州大気汚染規制法」が，日本でも自動車の燃費·排気ガスを大幅に規制する「平成12年規制」と呼ばれる法律が施行されるなど，各国で様々な規制が実施されようとしている。 この様な背景から，当初，排気ガスを全く出さない自動車：ZEV（Zero　 Emission　 Vehicle）としてPEV（Pure Electric Vehicle）に注目が集まったが，一充電走行距離の短さ·高コスト·インフラの整備等の課題を克服することは難しく，最近では，実用性·経済性の観点からハイブリッド電気自動車（HEV）が脚光を浴びている。 しかし，HEVの普及には更なる高性能電池の開発が必要不可欠であり，自動車メーカーからは，高出力化·長寿命化·コストダウンが強く要望されている。 当社もこれらの要望にこたえるべく，図-1に示すPEV仕様およびHEV仕様電池の開発に取り組んできた。 その中で，今回はHEV仕様電池に微粉焼結式発泡基材を適用し，出力特性を向上させたので，ここに紹介する。