熱帯域のエコシステムマネージメントに関する研究

摘要

熱帯林の減少や荒廃は近年になっても緩和する兆候を見せないが、これらを未然に防止する方法として、森林を含む様々な土地利用を総合的、かつ計画的に管理していく手法が注目されている。 すなわち森林から大規模な農地（プランテーション）などへ転換してしまう前に、森林の公益機能がどの程度損なわれ、将来的にどのような環境リスクがあり得るのかを客観的に評価するシステムである。こうした管理システムでは、資源管理者や政策決定者が森林の状態を効率的に把握できるような科学的根拠に基づいた指標作りと、森林を含む様々な土地利用形態の総合的な持続的管理、すなわち生態系を重視した管理（エコシステムマネージメント）を基本理念に据える。 またエコシステムマネージメントでは人間も生態系の一員として捉え、資源管理が経済的、社会的に許容され、かつ健全な生態系が同時に成立しうる管理を目標とする。