連載.テアニン発見60年(2)

摘要

茶の品質の順位づけをする基準として、製茶中の全窒素量の重要性を確かめるために、京都府の茶産地(綴喜郡、相楽郡)の荒茶を調査した。その結果、窒素含有量と審査得点とは相関関係はあるが、地方的差異が認められ、湯船村、宇治田原村は窒素含量に比して得点が高かつも。同一，地区においても窒素含有量に大きな違いがあることから、肥培管理の違いによるものと考えられた。この調査により、緑茶品質と全窒素含量には密接な関係があるが、その関係性には、地域の気象条件や製茶条件、施肥条件の違いが微妙に影響することが明らかとなつた。本格的にうま味成分を探索する前に、経験論(全窒素量と品質の関係性)の確かめのため、酒戸が現場の状況を把握するために行った調査研究(図2)である 17)。