茶本草拾遺

摘要

『千金方』凍魚ひ逐はて百年後の天宝十一年（七五おうとう二）、王秦の『外台秘要方』四十巻が成立します。 唐を代表する医学全書で、その編集様式は各項目のはじめに病気の原因（隋の『諸病源候論』から引用）を述べ、ついで治療法を各医薬書から引用するものです。その編集様式は、後の医学全書の模範となり、中国はもとより日本や朝鮮の医薬書まで踏襲されるようになります。 『外台秘要方』の著者、王責は、もともと医師ではなく官吏として長らく国家図書館で書籍に接し、そのため数多くの医薬文献資料を整理編集することができたといいます。 その内容のほとんど全ては自説でなく、他の文献からの引用で、唐代までの医薬書に載る処方を『千金方』の倍近く六五〇〇も収録します。